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血液中のブドウ糖は脳細胞の活動に必須のエネルギー源であり、これは生まれたばかりの赤ちゃんでも変わりません。赤ちゃんが低血糖状態に陥ると、以下のような症状をきたします。
このような症状がみられ、血糖値が40mg/dl未満であれば新生児低血糖と考えて間違いないでしょう。通常はブドウ糖を注射することで症状は速やかに改善します。 低血糖の症状がみられない場合は、時間ごとの血糖値によって対応を変えていきます。
新生児低血糖の原因には、大きくお母さんの問題(母体因子)と赤ちゃんの問題(胎児・新生児因子)に分けられます。
お母さんが糖尿病を患っており、妊娠後期に至っても血糖のコントロールが思わしくない場合は、生まれてくる赤ちゃんが低血糖に陥る可能性が極めて高くなります。
高血糖の状態では、血糖を低下させるためにインスリンというホルモンの分泌が過剰になります。インスリンは胎盤を通過せず、お腹の赤ちゃんにダイレクトに移行します。それが赤ちゃんの血糖を下げ、新生児低血糖を引き起こしてしまうのです。
出生体重が2,500グラム未満の小さい赤ちゃんや早産の赤ちゃんは糖類(グリコーゲン)の体内貯蔵量が少ないので、速やかに栄養を補給しなければ低血糖を起こす可能性があります。
逆に出生体重が4,000グラム以上の大きな赤ちゃんは、母体の高血糖の影響を受けている可能性があり、前述のようにインスリンの作用で低血糖を起こすかもしれません。
新生児低血糖が神経学的な障害を引き起こすメカニズムには諸説ありますが、新生児低血糖と脳性麻痺との関係については古くから報告があります。
たとえば、早産で生まれてきた赤ちゃんの大半には低血糖が認められ、低血糖の日数が長いほど経過が良くないことがわかっています。また、低出生体重の赤ちゃんの大半にも低血糖が認められ、中でも低血糖を2回以上起こした赤ちゃんは、1回の低血糖を経験した赤ちゃんよりもその後の精神運動発達が遅いことが報告されています。
まず大切なのは、新生児低血糖のリスクをしっかり把握することです。妊婦さんが糖尿病で血糖のコントロールが困難な場合は、対応が可能な医療機関で治療、分娩を行なうべきでしょう。お腹の赤ちゃんに対しては妊娠週数と推定体重を確認し、リスクの評価を行ないます。
赤ちゃんが生まれたら低血糖症状の有無を確認し、もし症状があれば速やかに対応します。もし症状がないとしても、何かしらのリスク要因があれば少なくとも出生後2時間は血糖をモニタリングすべきでしょう。
脳性麻痺の発症には様々なリスク要因が複雑に関わっており、医療過誤(医療ミス)によるものも、残念ながら少なからず含まれています。お母さんや赤ちゃん側にリスク要因があった場合でも、「やるべき対応をしなかった」ときは、病院側の責任を問うことが可能です。
迷ったら、まずは医療過誤に精通した弁護士に相談することをお勧めします。
参考文献 |
【PDF】産婦人科 診療ガイドライン―産科編 2020 『脳性麻痺と周産期合併症/イベントとの関連−最新の知見』 |
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