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脳性麻痺は赤ちゃんの脳が何らかのダメージを受けることで引き起こされますが、その主な原因として出生前後の低酸素や感染症などが挙げられます。その一方で、原因がまったくわからない場合も少なくありません。
脳性麻痺のリスク要因について、日本医療機能評価機構が実施した2つの調査結果を紹介しましょう。
本調査では、脳性麻痺を起こした赤ちゃんが何らかのリスク因子を抱えていた割合が84.8%と大半に及ぶことが明らかになっています。
特に分娩前後よりも分娩時のリスク因子が認められた赤ちゃんが70.6%と多数を占め、中でも新生児仮死(※1)が50.2%ともっとも多く、次いで脳室周囲白質軟化症(※2)(28.6%)、低酸素虚血性脳症(※3)(18.2%)と続きます。
参照元:【PDF】公益財団法人日本医療機能評価機構 脳性麻痺児の実態把握に関する疫学調査報告書(平成30年10月)
分娩前から分娩後までの主な脳性麻痺のリスク因子と考えられる疾患等の詳細な状況
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/report/pdf/nouseimahijinojittaihaakunikansuruekigakuchousahoukokusyo.pdf
本報告書では、産科医療補償制度の原因分析報告書において、脳性麻痺の主たる原因として記載された病態が集計されています。
それによると、もっとも多いのは常位胎盤早期剝離(※4)(16.0%)で、次いで臍帯因子(※5)(12.2%)、感染(※6)(3.2%)、頭蓋内出血(※7)(2.1%)、子宮破裂(※8)(1.9%)と続きます。その一方で、原因がわからない、または原因の特定が困難というケースは全体の42.9%に上っています。
参照元:【PDF】公益財団法人日本医療機能評価機構 第11回産科医療補償制度 再発防止に関する報告書
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/report/pdf/Saihatsu_Report_11_All.pdf
(※1)新生児仮死……生まれてきた赤ちゃんの呼吸や循環機能にトラブルがある状態。 (※2)脳室周囲白質軟化症……赤ちゃんが生まれてくる前に脳の「脳室周囲白質」という部分に血液が十分に届かず、壊死してしまう病気。 (※3)低酸素虚血性脳症……赤ちゃんが生まれてくる際に脳に十分な血液が行き届かず、低酸素や低血糖で脳がダメージを受けてしまう病気。 (※4)常位胎盤早期剝離……正常な位置にある胎盤が、赤ちゃんがまだ生まれていないのにはがれてしまう病気。 (※5)臍帯因子……へその緒が赤ちゃんの首に巻きつく、赤ちゃんより先にへその緒が降りてくるなどのトラブルの総称。 (※6)感染……広い意味では病原体が体内に侵入して増殖すること。生まれたばかりの赤ちゃんの場合は重症化することが多い。 (※7)頭蓋内出血……脳の内部や頭蓋骨と脳の間に出血をきたすこと。生まれてくるときの低酸素や外傷などが原因に挙げられる。 (※8)子宮破裂……妊娠末期や分娩時に子宮が裂けてしまうこと。帝王切開の傷跡や過剰な子宮収縮などが原因とされる。 |
参考文献 |
【PDF】公益財団法人日本医療機能評価機構 脳性麻痺児の実態把握に関する疫学調査報告書(平成30年10月) 【PDF】公益財団法人日本医療機能評価機構 第11回産科医療補償制度 再発防止に関する報告書 『脳性麻痺と周産期合併症/イベントとの関連−最新の知見』 |
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