MENU
弁護士/医学博士監修 産科医療過誤 解決への安心読本 「脳性麻痺」 » 【やさしく解説 】産科医療過誤による脳性麻痺の和解・裁判解決事例 » 帝王切開の遅れの事例

帝王切開の遅れの事例

この事例は、本サイトのスポンサーである弁護士法人ALG&Associatesが対応した解決事例です。

TAG
  • 1億5,000万円で示談成立
  • 無痛分娩
  • 回旋異常
  • 変動一過性徐脈
  • 心拍数波形レベル4~5
  • 吸引分娩開始から1時間
  • 帝王切開の遅れ
  • 低酸素脳症
  • 医療機関側が責任を認める

事例の要点と結果

無痛分娩で経過していた妊婦さんの事例です。

赤ちゃんに回旋異常(※1)があり、変動一過性徐脈(※2)も頻回に認められていました。CTG(※3)では赤ちゃんの心拍数波形のレベル4ないし5(※4)が続いていたにもかかわらず、急速遂娩(※5)の準備はなされないままでした。

やがて吸引分娩が3回実施されましたが、まだ赤ちゃんは出てこられません。ようやく帝王切開が選択されましたが、実施されたときは吸引分娩の開始から1時間が経過していました。そうして生まれた赤ちゃんは低酸素脳症を起こしており、脳性麻痺を発症してしまったのです。

解決までの詳細

そもそも吸引分娩を実施する前、赤ちゃんの心拍数波形のレベル4ないし5が続いていた時点で急速遂娩が必要だったのは明らかです。弁護士は急速遂娩が適切に実施されれば赤ちゃんが脳性麻痺を起こすことはなかったと主張し、損害賠償の交渉を開始しました。その際には、医療機関側も責任を認める可能性も考慮して手続きを進めています。もちろん、医療機関側が責任を否定するのであれば訴訟に移行することも辞しません。

結局のところ、医療機関側は早期に帝王切開を行なうべきであったことを基本的に認めました。あとは損害額の調整です。話し合いの末、医療機関側に責任があることを前提に1億5,000万円での示談(※7)が成立しました。

参照元:弁護士法人ALG&Associates公式サイト「医療過誤案件の解決事例」
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/sanka-bunben/sanka_jirei16/

※1:回旋異常
出産の際、何らかの原因で赤ちゃんが身体の向きを変えられないことを指します。

※2:変動一過性徐脈
心拍数が1分間あたり15回以上減少する状態が急速(30秒以内)に起こり、元に戻るまで15秒以上2分未満の時間を要する状態です。

※3:CTG
胎児心拍数陣痛図(Cardiotocogram)の略語で、赤ちゃんの心拍数と子宮の収縮圧を時間の経過に合わせて記録したものです。

※4:心拍数波形のレベル4ないし5
心拍の測定値を示す波のような図形の異常の程度は5段階のレベルで示され、4ないし5は明らかな異常といえます。

※5:急速遂娩
緊急時などできるだけ速やかに分娩を行なう必要がある場合に行われる処置のことで、鉗子分娩や吸引分娩、緊急帝王切開などがそれにあたります。

※6:低酸素脳症
脳の血流低下や血液中の酸素不足によって、脳に何らかの障害が起こった状態を指します。窒息や心肺停止、著しい血圧低下などによって起こります。

※7:示談
民事のトラブルについて、裁判を行わずに当事者同士の合意で解決することです。

「顧客感動」を目指し、日々尽力する弁護士集団

弁護士法人ALG&Associates

弁護士法人ALG&Associatesは、平成17年(2005年)に、金﨑浩之弁護士によって設立された法律事務所。
東京都新宿区西新宿に本部を置き、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、福岡、バンコクなど国内外10拠点以上に事務所を展開。総勢90名以上の弁護士と200名を超えるスタッフが、医療過誤をはじめとする幅広い分野で問題や悩みを抱えるお客様をサポートしています。(数字は2023年6月調査時点)

監修弁護士よりメッセージ

監修弁護士から伝えたいこと

先が見えず、いま不安な状況にあるご家族を
おひとりでも多く救済したい

金﨑 浩之 弁護士
監修
弁護士法人ALG&Associates
金﨑 浩之 弁護士

私たちの仕事は、患者さん側の代理人として「患者さん側が勝つべき事件を、いかにして勝ち取っていくか」が大事なのです。医学への高い専門性と医療過誤事件に関わる多くの解決実績を持つ弁護士法人ALGの医療過誤チームが、おひとりでも多くの方を救済できるよう尽力しています。

目次