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弁護士/医学博士監修 産科医療過誤 解決への安心読本 「脳性麻痺」 » 【やさしく解説 】産科医療過誤による脳性麻痺の和解・裁判解決事例 » 急速分娩に対応しなかった事例

急速分娩に対応しなかった事例

この事例は、本サイトのスポンサーである弁護士法人ALG&Associatesが対応した解決事例です。

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  • 産科医療補償制度の補填を含む1億2,000万円で裁判上の和解成立
  • 妊娠40週と2日の妊婦さん
  • 通常分娩
  • 胎児心拍数陣痛図
  • 急速遂娩や胎児蘇生の準備が必要な波形
  • 胎児蘇生の準備
  • 胎児心拍数陣痛図に異常なしの見解
  • 示談交渉を行なうことなく訴訟提起
  • 主張書面71ページ、4万5,940文字、42に及ぶ証拠提出

事例の要点と結果

通常分娩に臨んだ妊娠40週と2日の妊婦さんの事例です。

分娩中、赤ちゃんの心拍と母体の子宮収縮をモニタリングする胎児心拍数陣痛図が約1時間30分にわたって、急速遂娩(※1)や胎児蘇生(※2)の準備を要する波形レベル(※3)を示していました。

その場に立ち会っていた助産師も急速遂娩の必要性を理解していましたが、報告を受けた主治医はそのまま自然分娩での出産を進めたのです。その結果、生まれてきた赤ちゃんは脳性麻痺を発症してしまいました。

解決までの詳細

調査の依頼を受けた弁護士は医療機関から任意開示でカルテを入手、精査するとともに医師の意見を集めた結果、医療機関に責任があると判断しました。ちなみに本事例では医療機関から「胎児心拍数陣痛図に異常はみられなかった」という回答があったため、示談交渉を行なうことなく訴訟が提起されています。

訴訟において、医療機関は過失と脳性麻痺の発症には因果関係がないと主張しました。しかし、弁護士は医学文献ならびに関連論文を精査し、医学的知見に基づいた反論を組み立てました。その主張書面は71ページ、4万5,940文字に上り、42に及ぶ証拠も提出されています。

そのような対応が功を奏し、産科医療補償制度(※4)の補填を含む1億2,000万円で裁判上の和解(※5)が成立しています。

参照元:弁護士法人ALG&Associates公式サイト「医療過誤案件の解決事例」
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/sanka-bunben/sanka_jirei15/

※1:急速遂娩
緊急時などできるだけ速やかに分娩を行なう必要がある場合に行われる処置のことで、鉗子分娩や吸引分娩、緊急帝王切開などがそれにあたります。

※2:胎児蘇生
赤ちゃんの状態を迅速かつ正確に見極め、適切な蘇生処置で生命を救い、重篤な後遺症を防ぐことを指します。

※3:波形レベル
呼吸や心拍などの監視装置に表示される、測定値に基づく波のような図形を「波形」といいます。その異常の程度はレベルで示され、胎児心拍数陣痛図では5段階、レベルが高いほど異常の程度も高くなります。

※4:産科医療補償制度
分娩中のトラブルが原因で発症した脳性麻痺の赤ちゃんとご家族に対し、経済的な負担を補償する制度です。脳性麻痺の原因分析や再発防止に向けた情報も発信しています。

※5:裁判上の和解
裁判所の関与のもと、当事者同士がお互いに譲り合って争いを終えることを合意するという意味です。

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弁護士法人ALG&Associates

弁護士法人ALG&Associatesは、平成17年(2005年)に、金﨑浩之弁護士によって設立された法律事務所。
東京都新宿区西新宿に本部を置き、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、福岡、バンコクなど国内外10拠点以上に事務所を展開。総勢90名以上の弁護士と200名を超えるスタッフが、医療過誤をはじめとする幅広い分野で問題や悩みを抱えるお客様をサポートしています。(数字は2023年6月調査時点)

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金﨑 浩之 弁護士
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