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待ち望んでいた赤ちゃんが脳性麻痺になってしまった。それはとても残念なことですが、そこにはさまざまな要因が隠れていたり絡んでいたりしており、もしかすると分娩時のトラブルが脳性麻痺のリスクを高めていたかもしれません。ここでは、トラブルの一因となり得るリスク要因と、適切な対処法について解説していきます。
その名のとおり、妊娠時に高血圧を発症することを指します。この病気の発症メカニズムは明らかになっていませんが、重症化すると母子の生命にもかかわるような合併症を引き起こす怖い病気です。脳性麻痺との関連性も広く知られており、特に合併症を起こした妊娠高血圧症候群では脳性麻痺の発症率が高くなっています。
お腹に赤ちゃんがいるにもかかわらず、胎盤が正常な位置からはがれてしまう状態を指します。明らかなお腹への衝撃を除くと、はっきりした原因はわかっていません。しかし、常位胎盤早期剥離を起こしやすい傾向はあるようです。赤ちゃんに胎盤から酸素や栄養が届かなくなるので、脳性麻痺の発症リスクも高くなります。
臍帯とはいわゆる「へその緒」で、お腹の赤ちゃんに酸素や栄養を届ける重要なライフラインです。これが何らかの原因で圧迫されると、赤ちゃんに十分な酸素や栄養が届かなくなります。低酸素は赤ちゃんの脳にダメージを与え、それが脳性麻痺の発症につながる可能性があります。
分娩時に赤ちゃんへの酸素供給が滞ることを指し、それには臍帯トラブルや母体側の問題などさまざまな原因があります。低酸素の症状は段階的に悪化していくので、少しでも早く低酸素の状態を脱して脳へのダメージを防ぎ、脳性麻痺の発症リスクを軽減させなければなりません。
人工的に子宮を収縮させる薬剤で、陣痛を促してスムーズな出産を行なうことが投与の目的です。適切な使用であれば大きな問題は起こりませんが、不適切な使用はときに過強陣痛や子宮破裂といった重大な合併症を引き起こし、赤ちゃんが脳性麻痺に至る可能性も高くなります。
鉗子や吸引器を使用して赤ちゃんが無事に出てこられるようにサポートすることで、単に補助分娩とも呼ばれます。適切な方法で実施されれば何ら問題はありませんが、適応外での実施や分娩中の観察不足などで赤ちゃんがダメージを受け、脳性麻痺に至ったケースが報告されています。
分娩が遅れることを「遷延分娩」といい、その理由は赤ちゃんの問題、産道の問題、母体の問題などさまざまです。単に分娩に時間がかかるだけなら大きな問題にはなりませんが、赤ちゃんの心拍などに異常があればトラブルの徴候です。脳性麻痺の発症リスクを軽減させるために速やかな対応が必要です。
動脈血の酸素量が低下した状態が呼吸不全、臓器への血液供給量が低下して機能が維持できなくなった状態を循環不全といいます。重篤な状態であれば母体の救命を優先して帝王切開を行なうこともありますが、それが結果として赤ちゃんの無事につながり、脳性麻痺などのリスクも少なくなります。
新生児の感染症として非常に頻度の高い病気で、分娩時に感染する垂直感染のほか、生まれてから皮膚や哺乳びんを介して感染するケースもあります。新生児の感染症は急激に悪化することも多く、GBS感染症が髄膜炎を併発すると脳細胞がダメージを受け、脳性麻痺に至る場合もあります。
お腹の赤ちゃんに十分な酸素が届かなかったり、生まれてすぐの呼吸や循環が不十分だったりすると、新生児仮死の状態に陥る可能性があります。脳に酸素が届かないため脳性麻痺など重篤な後遺症が残るケースも多く、速やかな蘇生によって一刻も早く低酸素状態を改善しなければなりません。
新生児の脳室内出血は未熟児に多く、その理由は脳室の壁の血管がもろく出血しやすいからです。重度の脳室内出血で脳実質にも出血がみられる場合は脳性麻痺に至ることが多く、長期的な療育が必要になります。早産の場合では、妊娠期間が短いほど脳室内出血のリスクが高いこともわかっています。
生後28日までに診断された脳梗塞のことを新生児脳梗塞といいます。その原因はさまざまですが、母体側、赤ちゃん側ともに重大な病気が原因となっているケースが多いようです。脳梗塞は神経組織にダメージをもたらし、脳性麻痺の中でも筋肉のつっぱりを伴う痙性麻痺の主な原因と考えられています。
脳細胞の活動には血液中のブドウ糖が必須であり、それは赤ちゃんでも同じです。妊婦さんが糖尿病を患っている場合や、早産で生まれてきた赤ちゃんの場合は低血糖に陥る可能性が高く、慎重な観察が必要です。新生児低血糖を起こした赤ちゃんが脳性麻痺を発症するリスクが高いという報告も古くから存在します。
ビリルビンという血液中の色素が過剰に蓄積し、脳に付着してさまざまな症状をもたらす病気がビリルビン脳症です。核黄疸とも呼ばれ、未熟児、新生児仮死と並んで脳性麻痺の3大要因のひとつに挙げられていた時代もあります。現在でも早産で生まれてきた赤ちゃんには一定数のビリルビン脳症がみられます。
医学的には妊娠37週未満で生まれてきた赤ちゃんを未熟児、生まれたときの体重が2,500グラム未満の赤ちゃんを低出生体重児と定義しています。赤ちゃんが小さく生まれてくる主な原因は早産と子宮内発育不全だと考えられており、脳性麻痺を発症した赤ちゃんの中でも未熟児の割合は突出して高くなっています。
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