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弁護士/医学博士監修 産科医療過誤 解決への安心読本 「脳性麻痺」 » 【やさしく解説 】産科医療過誤による脳性麻痺の和解・裁判解決事例

【やさしく解説 】産科医療過誤による脳性麻痺の和解・裁判解決事例

残念ながら、出産時の医療過誤が原因で赤ちゃんが脳性麻痺を起こしてしまう事例は存在します。
ここでは、弁護士に相談し、示談で解決した事例、訴訟にまで発展し、和解、勝訴したさまざまなケースを紹介していきます。

妊娠高血圧症候群の事例

妊娠高血圧症候群を発症して入院していた妊婦さん。分娩中に心不全を疑う症状がみられましたが、専門医の診察なくATP(アデホス)が投与されます。妊婦さんは循環不全をきたし、赤ちゃんは脳性麻痺を発症してしまいました。本事例は1億9440万円での和解が成立しています。

周産期管理ミスの事例

何のトラブルもなく生まれてきた赤ちゃん。新生児室でミルクを与えられましたが「げっぷ」は出ず、そのまま看護師は部屋を離れます。赤ちゃんはミルクを吐き出して窒息、低酸素脳症をきたして充足な脳性麻痺が残ってしまいました。本事例は1億7000万円で訴訟上の和解が成立しています。

帝王切開既往妊婦の経腟分娩の事例

過去に帝王切開で出産した経験がある妊婦さん。今回の出産は子宮収縮薬を用いて経腟分娩が試みられましたが、なかなか赤ちゃんが出てこられません。緊急帝王切開も行なわれないまま子宮破裂に至り、赤ちゃんは脳性麻痺を発症してしまいました。本事例は1億5000万円で訴訟上の和解が成立しています。

急速分娩に対応しなかった事例

妊娠40週2日の初妊初産の妊婦さん。通常分娩に臨みましたが、胎児心拍数陣痛図では明確な異常を示す波形が1時間30分以上にわたって続きます。急速遂娩が行なわないまま生まれてきた赤ちゃんは、残念ながら脳性麻痺を発症してしまいました。本事例は1億2000万円で訴訟上の和解が成立しています。

低出生体重児が低血糖の事例

帝王切開で生まれてきた2000グラム以下の小さな赤ちゃん。低出生体重児であるにもかかわらず、血糖測定も心拍モニタリングも行なわれないままでした。やがて赤ちゃんは低血糖による無呼吸発作で心拍停止となり、脳性麻痺を発症してしまったのです。本事例は1億3500万円で和解が成立しています。

帝王切開の遅れの事例

無痛分娩での出産に臨んだ妊婦さん。お腹の赤ちゃんの心拍に明らかな異常を認めていながら急速遂娩が選択されず、さらに帝王切開の実施まで長時間を要しました。結果として、生まれてきた赤ちゃんは重篤な脳性麻痺を起こしてしまいました。本事例は1億5000万円で示談が成立しています。

無痛分娩開始後の緊急帝王切開の事例

上記のケースと同じく無痛分娩を選択した妊婦さん。陣痛促進剤が投与された後、吸引分娩、クリステル胎児圧出法でも出産に至らず、帝王切開に切り替えたものの生まれてきた赤ちゃんは脳性麻痺で亡くなってしまいました。本事例は一度請求の棄却を経ながら、7400万円で逆転勝訴的な和解が成立しています。

子宮収縮薬過剰使用の事例1

出産予定日を過ぎても陣痛が起こらなかった妊婦さん。入院して陣痛促進剤を使うことになりましたが、通常の使用量を上回る量の薬剤を投与され、赤ちゃんは仮死状態で生まれてきました。結果として脳性麻痺による重い障害が残ってしまったのです。本事例では医療機関側に1億2846万円の賠償が命じられています。

子宮収縮薬過剰使用の事例2

分娩の痛みが強く、麻酔を受けて出産に臨んだ妊婦さん。陣痛促進剤の過剰投与と帝王切開の遅れによって、生まれてきた赤ちゃんには自発呼吸がありませんでした。赤ちゃんは転院先で脳性麻痺の診断を受け、重度の身体障害者と認定されてしまいました。本事例では医療機関側に1億4200万円の賠償が命じられています。

常位胎盤早期剥離の事例

下腹部の強い痛みで緊急受診した妊婦さん。切迫早産だと考えられていた症状は実は常位胎盤早期剥離で、帝王切開で生まれてきた赤ちゃんには脳性麻痺による重い後遺症が残ってしまいました。本事例では因果関係は認められませんでしたが、後遺症が軽くなった可能性が考慮され、医療機関側に660万円の賠償が命じられています。

双子第2子の帝王切開の遅れの事例

双子の赤ちゃんを授かった妊婦さん。2人目の出産に時間がかかりましたが帝王切開は選択されず、生まれてきた赤ちゃんは脳性麻痺で寝たきりになってしまいました。本事例は帝王切開を選択することのリスクなどから医師の過失は否定され、患者側の請求は棄却されています。

観察不足による低酸素性虚血性脳症の事例

妊娠37週で少し早く生まれてきた赤ちゃん。当初は保育器で管理されていましたが、状態が安定したためお母さんに預けられます。ところが赤ちゃんに異変が起こり、お母さんが気づいたときにはすでに心肺停止状態でした。本事例は医療機関側の観察義務違反が認められ、1億3047万円の賠償が命じられています。

カンガルーケア中の新生児心停止の事例

自然分娩で第2子を出産した妊婦さん。カンガルーケアの最中に赤ちゃんが心停止をきたし、低酸素性虚血性脳症による重篤な脳性麻痺を起こしてしまいました。本事例は、カンガルーケアが医療行為ではないことなどから医療機関の説明義務違反は否定されています。ただ、現在の医療水準に照らし合わせると見方は変わってくるかもしれません。

核黄疸(高ビリルビン)の治療の遅れの事例

低体重で生まれ、搬送先の病院で核黄疸が認められた赤ちゃん。医師の判断で光線療法の開始がいったん見送られましたが、結果として赤ちゃんは脳性麻痺を起こしてしまいました。本事例は光線療法の必要性が認められ、医療機関側に1億5292万円の賠償が命じられています。

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弁護士法人ALG&Associates

弁護士法人ALG&Associatesは、平成17年(2005年)に、金﨑浩之弁護士によって設立された法律事務所。
東京都新宿区西新宿に本部を置き、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、福岡、バンコクなど国内外10拠点以上に事務所を展開。総勢90名以上の弁護士と200名を超えるスタッフが、医療過誤をはじめとする幅広い分野で問題や悩みを抱えるお客様をサポートしています。(数字は2023年6月調査時点)

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金﨑 浩之 弁護士
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